こんにちは、お宿千代里のAyaです。
今日から、この宿に来てくださったゲストのみなさんとのできごとを、少しずつ書いていこうと思います。
第1回は、この宿の「転機」になってくれたご家族たちの話です。
「みんなで鍋がしたいんです」
今年の2月、スキー旅行のご予約が入りました。
神奈川からの3家族、大人6人と子ども3人、2泊。
開業からまだ日が浅いころで、大人数のグループをお迎えするのはこれが初めて。
「大人数の集まりのための家」を目指して作ったのに、その真価を試すのは初めて——楽しみと緊張が半々だったのを覚えています。
事前のメッセージで、ご相談をいただきました。「みんなで鍋がしたいんです」
——鍋。この家の大食卓にぴったりの、最高のリクエストです。
ただ白状すると、当時のうちには大人数用の鍋の用意がありませんでした。
どうしようか、とは一瞬も思いませんでした。
「冬のゲストはきっとまた鍋がしたくなるはず」と、大きな鍋を買いに走り、家に余っていたカセットコンロとガスボンベも磨いて用意しました。
ついでに、お肉なら地元の精肉店、買い出しならこのスーパー、と食材の買い出し先もメッセージでお伝えして。
この「あれもこれもしてあげたくなる」作業が、私はどうにも楽しくて。
準備しながら、宿のホストって私の天職かもしれない、と思ったのでした(笑)。

ひな祭り前の家に、お雛様と生花
当日に向けて、ダイニングには生花を飾りました。
お花は初めてのゲストのときから続けている、うちの小さな習慣です。
ひな祭りを控えた時期だったので、家にはお雛様も飾ってありました。
冷える夜に備えて、湯たんぽも人数分。
いらした3家族は、とても仲の良い、あたたかい雰囲気のみなさんでした。
子どもたちはあっという間に2階のキッズスペースを見つけて、ボードゲームやおもちゃに夢中。
大人たちは大きな食卓で、買い出してきた食材を並べて鍋の支度。
その様子を見ながら、ああ、いい人たちに来てもらえたなあ、と思いました。
あとから伺った感想では、9人での2泊でも朝晩の身支度や入浴の渋滞は起きなかったそうで、お風呂とシャワーの2系統に「設計した甲斐があった」としみじみしたのでした。
羨ましくなるほどの、仲の良さ
お帰りの日。「とてもいい滞在になりました」と言っていただけて、ほっと胸をなでおろしました。
それにしても、3つの家族が、まるでひとつの大家族みたいに過ごしていたのが印象的でした。
大人たちは鍋を囲んで語らい、子どもたちは兄弟のように遊ぶ。
家族ぐるみでこんな旅ができる仲間がいるって、ちょっと羨ましくなるほど素敵だなあ——と、お見送りしながら思ったのでした。
そして、宿の転機に
後日、そのうちのお一人から、インスタグラムにメッセージが届きました。
「Googleマップにレビューを書きました。初めての口コミだったようですが、ご迷惑でなければ——ご意向にそぐわなければスルーしてください」
口コミを書いたことまで、こちらを気遣ってわざわざ知らせてくださる。
その心遣いに、まずじんとしました。
そしてそれが、うちの宿への記念すべき1件目のGoogleマップの口コミでした。
「みんなが にこにこ 心温まる 最高のお宿でした」
この書き出しを読んだときのうれしさは、ちょっと言葉になりません。
そしてこの口コミのおかげもあって、3月のスキーシーズンには、たくさんのゲストが泊まりに来てくれました。
ちょうど宿の写真を撮り直した時期とも重なって、ここから予約が、ぐんと動き出したのです。
初めての大人数のお迎えで、宿を回し始めてくれた、恩人のようなご家族。
あの日「えいっ」と買った大鍋は、その後もたくさんのゲストの食卓で湯気を上げています。
この冬も、きっと大活躍するはずです。
ちなみにこの家から八千穂高原スキー場までは車で約20分。
リフト待ちの少ない、家族連れにやさしいゲレンデです。
スキーのあとに、あたたかい家でみんなで鍋——そんな冬の過ごし方、心からおすすめです。
それでは、また次のエピソードで。
お宿千代里 ホスト Aya