こんにちは、お宿千代里のAyaです。
宿から車で40分ほどのところに、「日本一美しい」と言われる紅葉の湖があります。
標高2,100mの森に抱かれた、白駒の池です。
見頃は例年9月下旬から10月中旬です。
(2026年10月、紅葉の白駒の池を実際に歩いてきたので、その話と写真を追記しました)
今日は、この秋に白駒の池を訪ねる方に向けて、見頃・駐車場・歩く時間・服装のことを、地元からご案内します。

先に白状すると、私が歩いたのは雪の残る4月でした
実は私が白駒の池を歩いたのは、今年の4月、東京にお住まいのドイツ人ゲストと一緒に登りました。
池はまだ真っ白に凍っていて、木道の脇にはしっかりと残る雪
空気はひんやり、4月とはいえ、里の春とはまるで別の季節です。
そして何より、静かでした。
思わず声を落として話してしまうほどの静寂、と言えば伝わるでしょうか。
何とも言えない空気感、としか言いようのない場所でした。
それでも森は、驚くほど緑なのです。
雪をかぶった岩のすぐ横で、苔だけが濃い緑のまま息をしている。

山から降りてきた方の、忘れられない一言
その日、たまたま山から降りてきた方に声をかけました。
「夏から秋はとんでもなく混むからね」
「静かにこの空気に浸れるこの季節が、実は一番好きかも」
そんなふうに話してくださったのが、妙に忘れられません。
白駒の池には、人でにぎわう顔と、しんと静まりかえった顔があるのだと思います。
どちらが正解ということもなくて、どちらも見に行く価値がある。
そして紅葉の季節は、間違いなく前者です。
そして10月、紅葉の白駒の池へ
この秋、ついに紅葉の白駒の池を歩いてきました。
10月の3連休の中日、よく晴れた日でした。
本当に、きれいでした。
水辺を縁どる真っ赤な木々、その上に重なる黄色、奥には深い緑の森。青い空がそのまま水面に映って、どこを切り取っても絵になる景色でした。
人はいました。でも大混雑というほどではなく、トイレにも行けたし、写真も人が入らずに撮れました。
4月の、声を落としたくなる静けさとはまた別の顔。
一度は見に行く価値がある景色です。

ただ、行き方には本当に苦労しました。それはこのあとの章で正直に書きます。
白駒の池って、どんなところ?
標高は約2,115m。
標高2,000mを超える場所にある天然の湖としては、日本でも最大級といわれています。
そして、この池を囲む森がすごい。
485種もの苔が育つ原生林で、日本蘚苔類学会から「日本の貴重なコケの森」に選ばれています。
樹齢数百年のコメツガやシラビソの根元が、ぜんぶ苔で覆われている——という景色です。
晴れた日ももちろんいいのですが、この森は霧の日や雨あがりがいちばん美しい、と地元では言われています。
紅葉の見頃はいつ?
例年の見頃は9月下旬から10月中旬。
ピークは10月上旬から中旬にかかる年が多いようです。
標高が高いぶん、里の紅葉より3〜4週間ほど早く色づきます。
針葉樹の深い緑の中に、ダケカンバの黄色とドウダンの赤が入り混じって、それが池の水面に映る。
「日本一」と言われる理由は、この色の重なりにあるのだと思います。

いちばん大事なのは、行き方です
紅葉シーズンの白駒の池は、とにかく行くのが大変です。
池の近くの有料駐車場(普通車600円・約200台)は、ピークの時期には早朝のうちに満車になります。池のほとりの山小屋さんによると、朝4時ごろにはほぼ埋まってしまう日もあるそうです。
そこで混む日には、八千穂高原スキー場の駐車場から無料のシャトルバスが出ています。
私たちもこれを使ったのですが、天気のいい3連休の中日だったこともあって、行きは40分待ち。帰りは1時間待ちで、結局、有料の路線バスに乗って帰りました。正直、つかれました(笑)。
ところが、帰りがちょうど14時ごろになったとき、駐車場が空き始めていたんです。
調べてみると、これがこの池のいつものリズムでした。朝から昼過ぎまでは満車が続き、14時を過ぎると空き始めます。
なので私のおすすめは、14時以降に車で行くこと。そして行けるなら平日です。
シャトルバスは毎日運行しているわけではないので、運行日は佐久穂町観光協会のサイトで確認してください。駐車場の空き具合は、ライブカメラでも見られます。

歩く時間と、服装のこと
駐車場から池のほとりまでは、歩いて約15分。
池を一周する遊歩道は、ゆっくり歩いて30〜40分ほどです。
あわせて1時間から1時間半みておけば、写真を撮りながらのんびり回れます。
道は木道と木の根の道。雨のあとはよく滑るので、サンダルよりは歩き慣れた靴がおすすめです。
そして服装。ここが見落とされがちです。
標高2,100mの森は、里より10度近く低いこともあります。
4月に歩いた私が言うのもなんですが、あのひんやりした空気は、里にいると想像がつきません。
10月の白駒の池は、もう初冬だと思ってください。
薄手のダウンや風を通さない上着があると安心です。
それから、ペットは園地内に入れません。ワンちゃん連れの方はご注意ください。

行けるのは、実は一年の半分だけ
白駒の池へ続くメルヘン街道(国道299号)は、冬のあいだ通行止めになります。
駐車場が開いているのは、おおむね4月下旬から11月中旬まで。
紅葉が終われば、この森はすぐに雪の季節に入ります。
つまり、白駒の池を歩けるのは一年の半分ほど。
その中でも、いちばん華やかなのが、9月下旬から10月中旬の数週間です。
泊まるなら、到着日の午後がチャンス
14時以降が狙い目、と書きました。
確実なのは、池のほとりの山小屋に泊まってしまうこと。白駒荘、青苔荘、高見石小屋、麦草ヒュッテと、この一帯にはいくつもあります。
麓の宿に泊まるなら、到着日の14時ごろに白駒の池に寄ってから宿へ向かう流れが、無理なく組めます。
うちの宿は佐久穂町にあって、チェックインは16時から。14時ごろに池に着いてゆっくり一周してから向かえば、白駒の池から宿までは車で約40分なので、ちょうどいい時間に着きます。
うちに泊まってくださる方は、日程が合えば白駒の池への送迎もご相談ください。
おわりに
雪の4月と、紅葉の10月。両方を歩いてみて思うのは、あの森は季節を問わず、ちょっと言葉を失う場所だということです。
紅葉の季節は、そこに色が加わる。想像していた以上でした。
そして、あの登山者の方の言葉も本当だと思うのです。
にぎわいの季節を楽しんだら、次はぜひ、静けさのほうも。
雪の残る春の白駒の池は、声を落としたくなるほど静かですよ。
春にこの記事を書いたとき「今年の秋、私も歩いてきます」と約束していたので、約束どおり歩いてきました。
それでは、また。
お宿千代里 ホスト Aya